平成24年度登録

十足(伊東市)
連合奨励賞 平成28年度 連合奨励賞受賞
ヒガンバナ花街道のヒガンバナ
100年前から続くヒガンバナの景観を100年後にも

ヒガンバナ花街道

伊東市十足地区は周囲は山に囲まれていますが、比較的平坦な地形で長閑な田園風景が広がっています。例年9月のお彼岸の頃から10月にかけての2週間ぐらいの間、地域の皆さんが植えたヒガンバナが見頃になります。十足のヒガンバナは100年以上昔から植えられていたと言われていて、中伊豆と伊東の海を結ぶ街道でもあったこの地を通る人々の目を、古から楽しませてきました。未来へこの美しい景観を引き継ぎ、その景観をもっと多くの人に楽しんでもらおうと地域住民が協力し、土手への植栽など「ヒガンバナ花街道」活動を行っています。
田植えの終わった6月から7月にかけては蛍が舞い、カエルの大合唱も楽しめます。天城山、遠笠山、矢筈山、大室山を望み、穏やかな風景がそこに暮らす人々を優しく包み込んでいます。伊東駅から十足広場行のバスに乗り、「龍雲寺」バス停下車。田んぼの中の遊歩道を歩けば、矢筈山を正面に見ることができます。


十足の引手力男神社
十足地区の鎮守さま「引手力男神社」

有名観光地からハイキング

十足地区は奥野ダムや大室山や「伊豆の瞳」と呼ばれる一碧湖からも歩いて30分ほどです。伊東市のホームページのレジャー情報の中で一碧湖→十足→さくらの里ハイキングコースが詳しく紹介されています。十足はそれほど大きくはない集落ですので、のんびり、ゆったり、歩いてその魅力を満喫して下さい。
十足地区には様々な石仏や史跡が点在しています。集落にある引手力男神社(ひきたぢからおじんじゃ)は大きな神社ではありませんが、慶安5年に修復された記録などが残っている、歴史のある神社です。10月の秋祭りには「翁の三番叟」が奉納されます。民家の片隅、田んぼのあぜ道などに道祖神、馬頭観音、庚申さんの他、少し珍しい神様もいらっしゃいます。歳(せい)の神様(お地蔵さん)には、どんど焼きの炭を塗りつけて真っ黒にすることで、健康祈願をする風習があったそうです。いぼを取ってくれる神様もいらっしゃいます。観光でお近くにお出かけの際は、貴重な日本の原風景・田園風景が残る十足地区にも是非、お立ち寄り下さい。


十足の田園風景
耳を澄ませば、風の音や鳥の歌声が聞こえてきます

十足(とうたり)の由来あれこれ

『十足』と書いて「とうたり」と読むこの地域。その地名の由来は諸説あります。
「江戸からの旅人の履いていた10足目の草鞋の緒が切れたから」「山の中で草鞋が10足でも足りないほど険しい場所だから」「十足りるから(自給自足でなんでもそろう)」など、様々です。草鞋の緒が切れるほど歩いて来た旅人も、ここの風景にほっと一息つきながら新しい草鞋に履き替えてまた歩き出したのかも知れません。
十足地域の中を通っている県道351号線沿いには野菜の直売所があり、露地栽培の美味しい野菜が手に入ります。季節によっては珍しい野菜が販売されていることもあります。


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